From Southern

サザンカンパニーからの月イチコラムです。
書いているのはサザンカンパニーのスタッフ、写真やイラストは、サザンカンパニーと関わりのある方に依頼しています。

第10回「ムカシガタリ」


ある雑誌の中で“子どものあそび”を紹介する連載の制作に携わっています。 定期的に開かれる企画会議の中でふと交わされる雑談では、著者の方々の幅広い知識を聞くことができ、毎回の楽しみにしています。

前回は、「昔話の桃太郎は日露戦争以降から額に日の丸のハチマキを付けるようになった」というお話を聞きました。

私は『まんが日本昔ばなし』世代で、桃から産まれた桃太郎は吉備団子で犬・猿・雉を家来にし、村の娘や金銀財宝を奪った鬼を退治するという物語でした。

後日調べてみると、桃太郎は江戸時代の赤本では「宝物を盗りに行く盗賊まがいの陽気な侵略者」、教科書に採用された時代では「鬼が悪さをするので懲らしめに行くという征伐者」、というように時代に合わせて書き換えられてきたということが解りました。

その後の戦時中に「鬼」は「敵」、「鬼ヶ島」が「敵国」という背景と重ねて、桃太郎に日の丸のハチマキが描かれるようになったということです。

現代では「暴力的な話」として、絵本や子供向けの書籍では「鬼退治」ではなく「話し合いで解決した」というように改変されているとありました。全ての物語が「話し合いで解決」してしまったらお話の醍醐味が薄れてしまう気もしますが…善悪を教える難しさを改めて考えてしまいます。

いま思うと、「なんで桃から産まれたの?」「なんで犬・猿・雉なの?」という疑問が浮かび、調べてみるとそこにはちゃんと由来があって、子ども達に語り継いで行く上で物語の背景を知っておくのも面白いなと思いました。今月はサンタクロースについて調べてみるのもおもしろそうです。(デザイナー/江村)